2015/08/07

家主と投資家に捧げるセミナー

いまやインターデザインの基幹事業のひとつとなった
リノベーションデザイン。

部署のリーダー勝山クンが率い、
首都圏、関西圏とふえつづけるオファーに、
文字通り東西奔走している。

元来賃貸住宅の資産価値向上、空室対策のための企画で、
家主さんを対象にしてスタートした。

ところがここ2,3年、
明らかに仕事のオファーやウチのセミナー参加者が
家主ではなく投資家さんへシフトしている。
あるいは投資家の卵の現役サラリーマンさんも多く見られる。
これはなぜだろうか‥‥‥。

ボク自身前職からマンションの設計に携わり
すでに25年以上もの歳月が経過している。
その頃、いまだバブル経済終焉が嗅ぎ取れない土地有効活用は
右肩上がりありきの事業計画が継続されていた。

事業主に見せる収支計画書、賃料は3~5年おきに3~5%の上昇を見込み、
当たり前のように敷金や保証金も家賃の数課月分が計上されていた。
入居率見込みは90%台と甘く、当時の借入金利レートがいまだ4、5%台であっても
損益分岐点が20年程度で十分やってくるという認識がなされていた。

その後潤沢であるはずのキャッシュを大規模改修に回し、
さらなる賃料の安定を図るという‥‥‥とんでもない絵空事。

しかし当時ほとんどの金融機関、不動産関連業者、建設関連業者全てが、
そう盲信していたのは事実だった。

周知のとおりバブル崩壊の余波は日本の家主さんを直撃し、
賃料下落、敷金、保証金の減滅、借入金利上昇による返済負担増と
賃貸マンションを事業として維持することが困難になり、
多くの物件が市場に出回る結果につながってしまった。

それでも堅実な家主さんにより大多数のマンションは維持されてきたのだが、
ここにきて事業継承者の問題や、当時の建設ラッシュに伴う過当競争の疲弊で
いよいよ手放そうという流れが見えてきた。

それが今のマンション投資ブームの呼び水となったのか、
いまは昔の顧客の物件を取得した投資家から、相談を持ち込まれることもある。
仕事と割り切ればそれまでだが、
愛着を持って自分の建物を守ってこられたオーナーの心中を察すると
複雑であることは事実。

そんな家主さんと投資家さんが一堂に会するイベント賃貸住宅フェアで、
今年もブースを出展させていただいた。
好例のインターデザイン・セミナーも無事満場のうちに終えることが出来た。
目まぐるしく環境が変化する賃貸家主業だが、
来場者の向上心と好奇心だけはハンパない。

どんな素性であれ持ち込まれた案件を最良のアイデアとデザインで
再生する仕事に手抜きは無い。
また当面残業が続きそうです。


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