2022/10/08

スペイン泊まり歩き。

夜が遅いスペインの旅では、宿泊はとても重要。
いかにショッピングやレストランから、早くベッドにたどり着けるか。
今回友人のお宅に何日か宿泊し、以降は目新しいホテルを選択し、
開業ラッシュというこの国の宿泊トレンドを少しばかり体験してみた。

Parador de Santiago de Compostela/サンチアゴ
スペイン北部、巡礼の聖地サンチアゴ・デ・コンポステーラにあるパラドール。
パラドールはスペインにおける国営のホテル。国営とっても安普請な施設ではなく、
中世の宮殿や修道院などを転用したもので、4つ星、5つ星クラスが多い。
一都市にひとつが原則。
サンチアゴのパラドールも多分に漏れず15世紀の建物で大聖堂の隣という好立地、
巡礼者が多く利用していた。
またパラドールに宿泊する醍醐味は何といっても建物の散策。
ここでは美しいパティオがいくつか存在し、
中庭からボーっと眺めたサンチアゴの夜空が忘れられない。
部屋はそれなりに広く、設備類が新しく更新されていて快適。340€/1泊

 

 

OCA IMI Hotel & Spa/オウレンセ
オウレンセはスペインの北部の地方都市で、
ここまで来る日本人はほとんどいないとの事。
ダウンタウンにあるシティホテルを現地の友人が予約。
スペインではそれなりに古い建物の一部を転用した新しいホテルが多く、
部屋は今風で、全て事前予約のシステムやワンオペのフロントも今風。一応星4つ。
セミスイートはダダっ広く、簡素だけど快適。料金もリーズナブル。135€/1泊

 

 

The Madrid Edition/マドリード
センターの好立地にあるこのホテルはマリオットグループが
今年世界中にオープンさせた8つのホテルの内のひとつ。
グループのウェブサイトには、唯一無二のラグジュアリー、
ダイニングエンターテイメントとうたわれてる。
現地の友人たちの間でも話題になっていたらしく、
リザーブした部屋は早々オトモダチに披露目となった。
フロントは必要以上に丁寧で、ランチをしたメキシカンレストランは
いわゆるヌーベル・キュイジーヌ的で対応も良い。
部屋はモダンなデザインホテルであるがバルコニーがある無しで料金設定が異なる。
今回バルコニー付きを選択したが、中庭しか見えなくて残念。
またアメニティがよく分からなくて、歯ブラシ以外、シェーバーなどは無く少し不満。
まぁ一泊で十分かなという印象。当然の5つ星。850€/1泊

 

 

Alhambla Palace Hotel/グラナダ
アルハンブラ宮殿内にあるパラドールには及ばないものの、
宮殿に最も近く、裁きの門には5分で到達できる。
30年以上昔に宿泊し、その後も二度ほど宿泊している大好きなホテルのひとつで5つ星。
格式高いイスラム調の設えと、高台から見下ろすグラナダ市街の眺望がすばらしい。
宮殿からゴメレス坂を下り降り、旧市街の坂道を散策しながら登り上がり、
ホテルへたどり着く。
このパターンが病みつきになり三回も繰り返した。
手仕事が伝わる、水回りのイスラミックタイルの美しさは目を見張る。
都合が許せば是非1週間は滞在したいホテル。410€/1泊

 

 

ME Reina Victoria by Merina/マドリード
センターのサンタ・アナ広場に面して建つ4つ星ホテル。
アクセスが良く、人気があり予約が取りづらいらしいが、
予約日を間違えたにもかかわらず、部屋を入れてくれたフロントさんは素晴らしい。
クラシカルな外観となぜかミッドセンチュリーなインテリアがマッチしている。
こういう少しハズしたインテリアも最近のトレンドなのかもしれない。
ここは音響にこだわりがあるようで、
ベッドサイドの壁面に隠ぺいされたさまざまなオーディオ端子があり、
よく見れば壁面がスピーカー。チェックアウトまぎわに気づいた。残念。
それから広場に面した部屋は明け方まで飲んでる人たちで騒がしかったが、
これもスペインらしくて好き。420€/1泊

 

 

Casa Rural/エストーリョ・リオハ
ウェブ検索にも引っかからない、名もなき村の小さなB&B。
この友人の知り合いが働く宿は小さな村、エストーリョにあり、
200年以上昔の建物は当時1階が家畜小屋で2、3階に人が住んだという農家。
板戸、錠前、階段などはオリジナルで、もろセルバンテスの世界を体験できる、
宿泊できること自体が奇跡のような宿。朝食はオーナーが育てた野菜など。
リオハのボデガや大きな街、ログローニョに車で足を延ばすにはよい拠点。
エストーリョ村の人口は11人だとか。50€/1泊

 

 

Pestana CR7 Gran Via Madrid/マドリード
グランヴィア通りに面したセンターに位置するラグジュアリーホテル。
比較的最近オープンしたホテルのようで、位置的には申し分ない。
夜間は最上階のクラブに出入りする若い人たちとEVで出くわすが、
宿泊客だというと羨ましがられた。
多分このホテルがクリスチアーノ・ロナウドの経営するホテルだからだろう。
外観に比べ部屋の作りは今風だが素材は随分チープ。
イヤなところが目についてしまう職業病がイヤ。
フロントはとてもフレンドリーで親切だけれどやはりワンオペで、
チェックイン、アウトは機械でセルフ。
4つ星と値段の割にはホスピタリティが… 450€/1泊

 

 

初めてスペインを旅したのは1989年、バブル真っ盛り。
円が高いというより、日本経済がとても強いと実感できた時代。
食事も宿泊もスペインは全てがリーズナブルだった。
時代が過ぎて、現在のスペインの物価は正直安くないと感じる。
ホテルも日本に比べて少々高いかなと思えるが、
若い人たちがひっきりなしに出入りしている。
これはスペインはじめ日本以外の世界経済が発展している表れ。
日本でも若い人たちがホテル文化を楽しめる時代が再来してほしいと、願うばかり。

※いずれも141円/1ユーロ換算。